金芽米・無洗米の生みの親、和歌山を代表する企業とは

健康志向の広まり

皆さんは、食材を選ぶポイントや重要視してることって何でしょうか。

「何といっても値段が安いことが一番!」
「おいしいものが食べたい」
「仕事で忙しいから、手間がかからない簡単に食べられるものかな」

人それぞれ、色んな重要視しているポイントはあると思います。
そんな食に対する志向を調査してみると、

健康志向 44.1%
経済性志向(値段) 35.2%
簡便性志向(手軽さ) 30.2%

という3つが上位にあがっており、その中でもダントツトップなのが『健康志向』なんですね。つまり食を考えた時の優先度が「健康>値段>手軽さ」という結果になっていることが分かります。値段や手軽さ以上に健康を求めているのは素晴らしい傾向だといえます。

では世界的に見てみるとどうでしょう。この『食』に対する健康志向への高まりは、日本のみならず世界レベルで起きています。香港の富裕層は香港国内に流通している中国産のいちごではなく、一粒2,400円の日本のいちごを買っているという記事も出ていました。
参考:果物でクールジャパン!スゲー!!香港で日本のいちごが一粒2,400円で売れてます!

こういった健康志向の人が増える中、やはり日本人は特にその傾向が強いようなんですね。さすが世界一の長寿国。今後も日本人の健康志向への高まりは、益々広がっていくと考えられているんですね。

 

健康志向の広がりで再び注目される『タニタ食堂』

皆さんも、一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。数年前に、レシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』(大和書房)がベストセラーにもなったタニタ。そのタニタが、2012年1月に東京・丸の内にオープンしたレストランが『タニタ食堂』なんですね。同社の社員食堂のコンセプトを忠実に再現したメニューが食べられる他、併設するカウンセリングルームで業務用体組成計による計測や管理栄養士からのアドバイスが受けられると話題になりました。

タニタ食堂 – タニタ TANITA

関連画像タニタと言えば、クッキングスケールや体重計・体脂肪計などの健康計測機器の方でご存知の方も多いのではないでしょうか。社員食堂のメニューは、「我々は、『はかる』を通して世界の人々の健康づくりに貢献します」を経営理念とする同社が、社員の健康改善・増進を目的に開発した、おいしくて満腹感がありながらカロリーを抑えた定食。昼食に食べるだけで社員にダイエット効果や一定の健康改善効果が見られたといい、このメニューのレシピを紹介した本は、大ヒットしました。読者から「社員以外でも食べられる場所」を求める声が寄せられたことから、外食チェーンきちりと業務提携してレストラン事業に参入した経緯があるんですね。

そして、今年11月下旬にリニューアルオープンしたのが「丸の内タニタ食堂」。新メニュー「タニタの洋食ごはん」の提供とディナータイムの営業を開始。新メニューは、一般にカロリーや塩分が高くなりがちなハンバーグやカツレツ、グラタンなど人気の洋食メニューをタニタ食堂のメソッドでアレンジ。洋食のしっかりした味付けやボリューム感を損なうことなくヘルシーに仕上げているので、おいしく食事を楽しみながら、健康づくりに取り組めます。提供価格は850円-1500円(税別、メニューによって異なります)。また、大手町・丸の内・有楽町エリアで働くビジネスパーソンをメインターゲットに、従業員の健康管理の一環として法人単位で利用できるサービスも用意。法人向けケータリング弁当の配達サービスも予定しています。提供食数は、ランチメニュー・ディナーメニュー・ケータリング弁当を合わせて1日あたり計500食を販売する計画となっています。

 

タニタ食堂で使用するお米『金芽米』とは

「東洋ライス」の画像検索結果注目が数年前のように高まりつつあるタニタ食堂。そのタニタ食堂で使用されているお米が『金芽米』なんですね。「タニタ食堂の金芽米」として通販でも購入することができ、アマゾンの通販人気ランキングでも常に上位に位置しています。
ちなみに、金芽米とはお米の品種名ではなく、玄米、精米、胚芽精米のようなお米の精米方法を表す名称となります。

金芽米は、特別な精米方法で、胚芽の口ざわりの悪い部分(「幼芽(ようが)」や「幼根(ようこん)」)だけを取り除き、栄養豊富な部分(胚盤(はいばん)だけを残したお米の事なんです。残した一部の胚芽の部分(胚盤(はいばん)が金色に見えるため、金芽米と名付けられたんですね。お米は精米方法によって、味や栄養価が変わりますが、金芽米は玄米の「健康成分」「旨味」をしっかり残して、普通の白米と同じ食感に精米されたお米。実際に炊いてみても普通の白米と食感は全く変わる事はありません。 玄米などは、栄養価は高いが消化が悪く、食感が慣れない人には違和感がありますので、その部分の解消を目指して開発されたのが金芽米というわけです。

金芽米の栄養

金芽米は、新たに開発された精米技術で、玄米の表面から少しずつヌカをきれいに取り除き、金芽(胚盤)と亜糊粉層(あこふんそう)を残して精米し、、残った「肌ヌカ」だけを洗浄して作られます。

※金芽(胚盤)と亜糊粉層(あこふんそう)の概念図

タニタの金芽米 金芽米の特徴・栄養は?

金芽(胚盤)

ビタミンB1やビタミンE、食物繊維が豊富に含まれています

亜糊粉層(あこふんそう)

デンプン層(胚乳)の表面にあるミクロン単位の非常に繊細な層で、おいしさを感じさせるうまみ成分であるオリゴ糖類、食物繊維などを多く含んでいます。金芽米は、白米に比べビタミンB1・Eが約2倍、食物繊維が約1.5倍。さらに、腸内環境を整える健康糖質が非常に多く(マルトースは約60倍、オリゴ糖は約12倍)も含まれています。

タニタの金芽米 金芽米の特徴・栄養は?

マルトースとは、腸内細菌の環境を整え、血糖値の急激な上昇を起こさない健康糖質です。オリゴ糖は腸まで到達し、ビフィズス菌など善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。またビタミンB群は炭水化物の代謝を助けてくれ、ビタミンEは抗酸化力が高くアンチエイジング効果が期待できます。

タニタの金芽米 金芽米の特徴・栄養は?

金芽米のカロリーは?

金芽米のカロリーですが、栄養分が多いために一見白米よりカロリーが多くなりそうに思えますが、金芽米は従来の白米に比べると、ふっくらと炊き上がり、少ないお米で同じ量のご飯が炊き上がるため、摂取カロリーが1割程度減るという特長があります。炊き上がりのお米100gあたり、普通の白米なら約170kcalで、金芽米は約145kcalとなります。そのため、栄養、カロリーともに大変ダイエットに向いたお米と言えます。
玄米、胚芽米食などには抵抗があり、普通の白米の感覚で、よりバランスの良い栄養をとりたい、消化の悪いお米は食べさせられないが、子供には栄養を沢山取って欲しいといった方に大変向いているお米なんですね。

金芽米を生み出した和歌山の企業とは

栄養素も豊富で低カロリーな金芽米ですが、実は、生みの親は米農家ではなく「東洋ライス」という精米機メーカーであることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。米離れが進む中で、金芽米の生産量はグングン伸びている。この金芽米を作っているのは日本で1社だけ。それが東洋ライスなんですね。

お米の総合メーカー 『東洋ライス株式会社』

この東洋ライスは、和歌山県和歌山市に本社があります。1961年、精米機器のメーカーとしてスタートし、その後、米の加工事業にも進出。米をおいしいご飯に変える会社なのです。従業員は170人、売上げは82億円に上ります。

「米というのは産地、品種で味が決まるとされていますが、それより大きいのは精米の仕方です。金芽米はこれまで捨てていた糠のおいしい部分を残しているので、今までの精米の仕方よりも味がうんと上がる」と話すのが、東洋ライスの社長、雜賀慶二さん(83歳)なのです。

関連画像

金芽米誕生エピソード

「米というのは産地、品種で味が決まるとされていますが、それより大きいのは精米の仕方です。金芽米はこれまで捨てていた糠のおいしい部分を残しているので、今までの精米の仕方よりも味がうんと上がる」と話すのが、東洋ライスの社長、雜賀慶二さん(83歳)。

雜賀社長は、既に確立されていた精米法を一から見直し、あらゆる可能性を探ったことが始まり。気の遠くなる試行錯誤の末たどり着いたのは、145度だったV字の角度を167度に広げることでした。こうすると、玄米の擦れあう力が微妙に減る。さらに精米ロールの回る速度もゆっくりにし、糠を取りながら亜糊粉層を残すことに成功したのです。
「私にとっては米が語ってくれるんです。『ここがちょっときつく当たりすぎている』『ここが弱い』と、私なりに感じるんです。それを数えられないくらいやりました」(雜賀)

試行錯誤を始めたのは40年前。完成までなんと30年の歳月がかかった。そこには思わぬ副産物も。金芽米をよく見ると、本当に金色の部分がある。偶然残った胚芽の底の部分で、ビタミンB1やEなどを豊富に含んでいる。これが命名の由来。
金芽米は2005年に発売開始。雜賀の執念の結晶が世に広まっているのです。

 

無洗米誕生エピソード

とがずに炊ける手軽さで世にすっかり浸透した無洗米。実はこれも雜賀社長が生み出したものなのです。普通に精米した白米は、洗わないと糠くさい。原因は米の表面に残っている肌糠。粘着性があるので洗わずに取るのは不可能と言われていました。雜賀社長はこの難問も15年かけて解いたのです。57歳にして、水を使わずに肌糠を取り除く精米機を作り上げたんですね。無洗米用に精米した米を見ると、肌糠がきれいになくなっているのが分かります。東洋ライスがこの画期的な無洗米を世界に先駆けて発売したのがさかのぼること28年前、1991年のことでした。

 

さらに無洗米の開発を通じて、驚きの商品も生み出した

山梨県北杜市の野菜農家、井上能孝さんが畑に撒いているのは東洋ライスの有機肥料「米の精」。それをひとつかみ口に入れた井上さんは、「人間が食べても無害だから植物にとっても安全性が高い。食べると甘いんです」と言う。原料は無洗米を作る際に取り出した肌糠。井上さんは化学肥料も農薬も使わずに野菜を育てています。「米の精」は有機農家に大人気で生産が追いつかない状況なのです。

「もともとは山林で土がカチカチだったのですが、『米の精』を使うようになってからフカフカになりました」(井上さん)

フカフカにしてくれるのは、様々な菌。「米の精」には土の中の菌を活性化させる特性があり、土を柔らかくするだけでなく、アミノ酸やビタミン、ミネラルなども作り出してくれます。当然、野菜にもいい影響が。植わっていた小カブを抜いてみると、ヒゲのような根っこが長く伸びていたのです。

「土がフカフカになって根がしっかり伸ばせるような環境ができたんです。水分や栄養分を野菜がしっかり吸収するようになったと思います。味も『米の精』を使うようになってから甘さが出るようになりました」(井上さん)

東洋ライスの技術から、お米だけでなく、おいしい野菜も生まれていたんですね。

「カンブリア宮殿 東洋ライス」の画像検索結果

ジリ貧農家を救う金芽米~日本の高品質米を海外に

去年7月、東洋ライスの米が「世界一高額なお米」としてギネスに載った。1キロ1万1304円。普通の米のおよそ30倍だ。中身はコシヒカリなど6品種を、独自の技術でブレンド、熟成させたもの。ひと月で275キロが完売した。

「米と卵はとにかく安すぎる。もっと高くても価値があると思うんです。生産者も米が高く売れるようになれば意欲も出る。そうしなければならないと考えています」(雜賀社長)

高い技術力で米の価値を上げる東洋ライスは今、日本各地の農家と手を組み、米農家の後押しにも動き出している。
その一つが鳥取県の若桜町。山間に棚田が広がる昔からの米の産地だが、近年は厳しい状況に陥っていた。ご多分に洩れず過疎化が進み、米の作り手は減る一方。米の生産量もジリジリ減り続けていた。
しかし5年前、突然V字回復を果たす。実は「タニタ食堂の金芽米」用に東洋ライスが買い上げを始めたのだ。

「東洋ライスさんがいなかったらただの米になってしまうと思いますが、若桜の米にも付加価値がついたかなと」(小林昌司町長)

「消費が少ないこの世の中で、たくさん売ってもらえる。本当だったら減反とか荒れた田んぼが出るはずだが、そういうところがないんです」(農家の浅井裕さん)

現在、金芽米の原料となる米の産地は全国20県以上に拡大。有名品種だけでなく、およそ30種類もの米が採用されている。さらに東洋ライスは、苦しい状況にありながらいい米を作っている産地に積極的に声をかけ、提携先を増やしているのだ。

そして今年から始めた新たな取り組みも。この日、島根県安来市で集められたのは、無農薬で米を作っている農家だった。彼らを前に、東洋ライスの阪本哲生副社長は「日本と海外だと商品の選び方が少し違うんです。海外の米の売り場に行くと、オーガニックがすごく増えている」と語る。
海外市場をにらみ、無農薬の金芽米を作ろうというのだ。既に世界11カ国に販路を切り開いた。健康志向が強い海外で、日本のおいしく安全な金芽米をアピールしていくつもりだ。

米農家の河津幸榮さんは、「ぜひここで取れた『きぬむすめ』が東洋ライスさんの技術とマッチして、世界中の方に食べていただきたい」と言う。
米と米農家の新たな未来を、東洋ライスは作ろうとしている。

金芽米が第5回健康医療アワード受賞

村上龍の編集後記

今回の記事は、「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」を参考に抜粋させていただいた。そのホストを務める村上龍しのコメントがこちらだ。

「米や機械の声が聞こえる」と雜賀さんが言って、「ゴールが明確で、現状足りないところを考え抜いているとき、対象が話しかけてくる気がする、小説も同じです」と応じた。職種は違うが、同じく創造者だと思った。
今は、技術者の時代だ。情報・知識と、技術が、飛躍的に進化して広く速く伝播するようになり、それらの組み合わせが天文学的に増え、イノベーションが主役になった。だが、雜賀さんは正真正銘の発明家だ。
「玄米の色は、実に美しい」
誰よりも長く、真剣に米を愛し、常識と闘ってきた人だけが持つ言葉だと思う。

 

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