投資家が予測する2018年のビジネストレンドとは

2017年は、テック業界と既存産業がより結びつき、仮想通貨やそれを支える技術が世に広がるなど、さまざまな動きを見せ、多くの注目ワードが登場しました。そして、IoT Todayが注目したビジネスに関連する2017年度の「比較」ランキングを見てみよう。

■「比較」されたトピックランキング
1) 政党 比較
2) aiスピーカー 比較
3) ビットコイン 比較
4) イデコ 比較
5) ガス 自由化 比較
6) フリマアプリ 比較
7) 電子タバコ 比較
8) ネットスーパー 比較
9) 宅配料金 比較
10) vrゴーグル 比較

皆さんも嫌と言うほど耳にしたワードが上位で検索されている。やはり今後も注目されるのは「ビットコイン」を中心とした仮想通貨市場。また大手企業の間でシェア取りが激化するであろうAIスピーカー市場。メルカリを中心としたフリマアプリ。メルカリナウやCASHなどの即時現金化アプリの誕生も注目された。VRの進化も今後は期待されるところであろう。

それでは2018年は一体どんな年になるだろうか。スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアTechCrunch Japanの記事を引用してベンチャーキャピタリストやエンジェル投資家を中心にした2018年の業界予想をまとめてみた。

エンジェル投資家/Tokyo Founders Fund

有安伸宏

「Tokyo Founders Fund 有安伸宏」の画像検索結果2017年の振り返り:
「暗号通貨」。これほど熱くなるとは

2018年のトレンド:
第一に、ICOとその周辺領域。プロダクトがちゃんとあるand/or VC-backedの「詐欺ではない」会社がトークンを発行する事例が増える。単なる資金調達ではなく、トークンセールを行うことでユーザー獲得につながる、ネットワークエフェクトが強化される等の良質のICOも少しずつ増えてくる。ICOに投資するファンド、ICOコンサル、格付け機関、比較メディア、等々、既存の金融業界に存在する機能のICO版、が形を変えて色々と出てくる。

第二に、キャズムを越えたBitcoin取引所の競争激化。スプレッド縮小。規制がかからない限り、取引所のテレビCMをたくさん目にする年に。日本のシリアル起業家の「健全な嫉妬」の対象は一年前はメルカリだったが、bitFlyerとコインチェックの2社へ。

第三に、政府 VS. 暗号通貨スタートアップ群、という対立構造がハッキリしてくること。規制当局である政府とスタートアップの世界観の違いをどう埋めるか、法律的・会計的な落とし所をどこに見据えるか、という議論が盛んに。blockchainは、分散型のプロトコルとして、権力や機能の分散化、民主化、無政府化を促すものなので、政府との対立構造が生まれてしまうのは不可避。

個人投資家/Drone Fund

「千葉功太郎」の画像検索結果千葉功太郎(Drone Fund General Partner)

2017年の振り返り:
個人評価経済と仮想通貨・ブロックチェーン、ドローン、インバウンド、ライブ動画、宇宙

2018年のトレンド:
◼︎ドローン
超黎明期から黎明期への移行とともに、2018年後半には東証マザーズへ初のドローン銘柄IPOも予測。ネット産業で言うところの1998年くらいの予感

◼︎仮想通貨界隈
取引所がとにかく活況であり得ない数字を出し成長。法整備された中での許認可事業やICOが盛んになり、より盛り上がりを見せる

◼︎インバウンド
オリンピックまで2年半となり、訪日観光客も堅調に急増。それに伴うサービスのトラクションも伸びる年に

◼︎ライブ動画、個人評価経済
ライブ動画の一般化。国内でも幅広く浸透していく年であり、細分化も進む。また個人が社会評価され稼ぐ時代が鮮明になる

◼︎宇宙
大型資金調達が相次ぎ、世界的な宇宙スタートアップから見ると、日本の派手な遅れてきた春を謳歌。この春をチャンスに、さらなる大型資金調達を推し進め、遅れを取り戻す

グリーベンチャーズ

「堤達生」の画像検索結果General Partner 堤達生

2017年の振り返り:
暗号通貨関連(ICO回り含む)とライブコマース関連が最も盛り上がった領域かと思います。暗号通貨関連では、取引所系の会社は今年一気にブレイクした感じがします。ライブコマースは2017年はまさに元年で、2018年にいくつかの会社がブレイクする予感がします。弊社で支援しているCandee社にも当然注目しています。

2018年のトレンド:
2017年に続き、暗号通貨関連は更に活況を呈することになると思います。ICOによるファイナンスもどんどん増えると思います。同様にライブコマース関連もある程度、勝負が見えてくるのではないかと思います。ご支援先のCandee社はもちろん飛躍を期待していますし、「PinQul」を提供するFlattも面白いなと思っています。

その他の領域でいいますと、AR領域は必ず投資したいと思っています。注目しているところでは、「hololive」を提供しているカバー社や落書きをフックにしたARコミュニティサービスを提供するGraffity社は注目しています。それ以外では、引き続き、FinTechやHRTech領域を中心に業界特化でのAIの活用は注視しています。また来年というよりも少し先になりますが、量子コンピューティング関連は継続的にウォッチしていますね。

F Ventures

「両角将太」の画像検索結果代表パートナー 両角将太

2017年の振り返り:
(1)VALU・Timebank等の仮想通貨・トークンエコノミー周辺サービス、(2)Sarahah、Tik Tokなどのティーン向けサービス

2018年のトレンド:
2017年は仮想通貨が大きなトレンドになりましたが、1年前の同アンケートでは自分含めて、ほとんどの投資家の方々が予想できなかったのが印象的でした。予想難しい!

そんな仮想通貨の普及に伴い、決済のあり方が変化する年になるだろうなと予想しています。中国ではWeChat Payが普及し、“現金”の利用が激減している流れをみていると、日本でも同じ流れがそろそろ現れてくるのではと考えます。また、トークンエコノミーが発達してくると、見えざる資産が数値化され、トークンと商品の物々交換のような決済方法も出てくるのではと考えています。

また、昨年も予想していましたが、物流や不動産、建築、農業、医療、保険など、第一次・二次産業やレガシーな領域では、引き続き新しい事業創造があると思います。それから、AIの精度向上によって、レシピや服装コーディネートの自動生成がトレンドになったり、AIスピーカーなどの普及で、“音声”が熱い領域になりそうです。

慶應イノベーション・イニシアティブ

「山岸広太郎」の画像検索結果代表取締役社長 山岸広太郎

2017年の振り返り:
バイオ、宇宙

2018年のトレンド:
昨年の予想で、2017年は医療・ヘルスケア関連、特にバイオとデジタルヘルスが伸びると書きましたが、実際に2017年1Q〜3Qのバイオ、製薬領域への国内ベンチャー投資は145.3億円と前年同期比65.3億円増加し、最も投資額が伸びた分野でした(Venture Enterprise Center調べ)。複数の省庁にまたがっていた医療関連の公的資金がAMEDに一本化され、基礎研究から実用化まで支援できる体制ができてきたことでアカデミアの中で研究成果の産業化に対する熱意は着実に高まっています。加えて、医療ヘルスケ分野を対象にしたファンドの組成も続いていることから、今年もバイオ関連の投資は伸びると見ています。
一方でデジタルヘルスに関しては、期待値は高いもののめぼしい投資先が少なく、一部局所的に人気を集める案件が少しあるという感じでした。遠隔診療関連などで大幅な規制緩和でもない限り、今年も着実に伸びる会社はあっても、大きな投資の流れにはならない印象を持っています。
昨年意外だったのは宇宙領域です。日本ではリスクが大きすぎて調達は苦労するのではと思っていたところ、昨年は次々に大型調達が決まっており、日本のリスクマネーの流れが変わって来ている気がします。今年も、宇宙に限らず、お金のかかるベンチャーへのリスクマネーの流れが拡大することを期待しています。

Spiral Ventures

「Spiral Ventures 立石美帆」の画像検索結果Associate 立石美帆

2017年の振り返り:
FinTech、特に仮想通貨関連はトレンドであったと思います。また引き続きではありますが、IoTハードウェア関連も、情報の見える化に留まらず、サービスとして完成度の高いものが多く出てきた印象です。

2018年のトレンド:
テクノロジー軸でいうと、(1)サービスとしての「AI」、(2)B2B/B2B2Cの形での「VR」、(3)産業用途での「ロボティクス」の活用が進むと考えています。
(1)データ分析に留まらず、ソリューション提供までを行うサービスが2018年は更に出てくるのではと思います。
(2)一般消費者にVRデバイスが一般的になるには、もう少し時間がかかるかと感じていますが、B2B/B2B2Cの形で、様々な産業領域で取り入れられるのではと思います。ナーブが不動産領域で大きく成長していますが、その他にもエンタメ、ライフスタイル問わず多岐に広がっていくと思います。
(3)人間の再現性には限界があるため、正確さを求められるもの(医療、製薬)での活用が特に進むと考えています。

産業軸では「建設」「農業」に特に注目しています。複雑な業界構造、人材不足、業務の非効率性など課題は多く、インターネット/テクノロジーで解決できる可能性は大きいと考えています。難易度の高い領域ではありますが、注目しています。

YJキャピタル

「堀新一郎」の画像検索結果代表取締役 堀新一郎

2017年の振り返り:
米国はAI、クラウド、VR/AR、EV・自動運転、音声端末の成長が目立ちました。中国はタクシー配車アプリ、バイクシェア、新メディア(Toutiao、Fenda等)といったC向けインターネットサービスが数多く成長しました。日本はB2B SaaSの大型調達・IPO、B2Cは動画領域が熱かったです。

2018年のトレンド:
2017年に米国で投資が盛んだった領域において、サービスの進化が進むと予想します。(→が注目領域)
・AWS一強に挑むGoogle Coud, MS Azure陣営による競争激化
→クラウドサービスのエコシステム領域
・GAFA、BAT陣営によるAI研究所設立競争
→AI活用サービス
・Facebook・Google・MicrosoftによるAR投資本格化
→ハード、ミドルの上で成り立つアプリケーションレイヤー
・音声端末が出揃った
→アプリケーションレイヤー
・EV(電気自動車)・自動運転投資加熱
→オペレーション効率化、安全対策、運転データ活用サービス、付加価値領域
・フェイクニュース対策本格化
→セキュリティ領域、AI活用したフラウド系サービス

忘れてはならない仮想通貨領域においては、GAFAがこれまで目立った投資をしてこなかったのですが、Amazonがamazon.cryptcurrency.comを取得したことから、2018年は投機以外の用途としての仮想通貨サービスが幾つか立ち上がる可能性があるので目が離せません。

日本は日経平均が過去10年で最高値圏内に突入し、バリュエーションも高騰しています。CVC、アクセラレータ、エンジェル投資家も増えてきており、起業家に追い風が吹いています。米国の大型減税もあり、2018年は激動の1年になると予想しています。

Samurai Incubate

「長野英章」の画像検索結果Partner 兼 Chief Strategy Officer 長野英章

2017年の振り返り:
動画、A.I、仮想通貨、SaaS(特にHorizontal)

2018年のトレンド:
■オリンピックまで3年を切りお祝いモードの裏側で、冷静に2020年以降の日本の課題をリアルに意識し動き出す起業家が増えると考えています。そんな中、盛り上がると予想しているのは特に2つの分野です。

■Vertical SaaS
既存産業で活躍する優秀な方々に最近よく相談に来て頂いてます。彼らは既存産業のバリューチェーンを深く、広く熟知してます。企画→製造→物流→販売等という上辺レイヤーから細分化し、各工程にかかる時間、発生頻度、直接投資額、デジタル化度合い等を理解しています。各工程を体系化/標準化し、テクノロジーをかけ合わせて生産性を上げるSaaSが盛り上がると考えています。市場規模×事業社数で様々な産業に注目しています。

■各産業×テクノロジーでのSPA
上記の起業家層が参入してくる領域が各産業のSPA領域だと考えてます。商品企画は「人のセンスや労働」に今まで頼る事が多かったですが、IoTやA.Iを活用する事で「企画のサイエンス」が可能な領域が増えてきました。またIndustry4.0や製造メーカーのOEM工場化の流れで企画→製造までのプロセスをよりオープンに活用できる市場環境とクラウドファンディング等の資金調達環境も整ってきました。ZOZOSUITが素晴らしい事例で、今後は成分、色、匂い、等の企画もテクノロジーと人間の叡智の融合で新しい価値創造が進む1年になると思います。

BEENEXT

「前田ヒロ」の画像検索結果Managing Partner 前田ヒロ

2017年の振り返り:
金融と保険業界で躍進するプレイヤーが多く現れた。SmartHRは保険関連の手続きを簡易化し、LemonadeやOscarは保険商品の透明性を高め競争を加速させた。金融業界ではCASHが借入の即時性と手軽さを実現させ、ビットコインは国や通貨の境界線を超えた新しい資産保有方法を浸透させるきっかけとなった

2018年のトレンド:
データのネットワーク効果がさらに加速すると思う。SaaSのますますの普及によって、企業や古い産業の中で眠ってる様々な情報が整理され、APIによるアクセスも容易になる。ブロックチェーンによってデータの分散化が起き、データの保有が企業から個人のコントロールに変わっていく。これにより、今まで実現できなかったデータの組み合わせを作り上げることが可能になり、新しい価値の創造、特にブロックチェーンを活用した新しいマネタイズモデルが生まれる年になるだろう。

ANRI

「ANRI 鮫島昌弘」の画像検索結果パートナー 鮫島昌弘

2017年の振り返り:
Soft Bank Vision Fundが量子コンピュータに投資関心ありとの報道が出るほど、量子コンピュータに注目が集まった年ではないでしょうか。2017年は米国のトップVCからの投資が相次ぎました(a16zよりRigetti、NEAよりIonQ、SequoiaよりQuantum Circuits等)

2018年のトレンド:
トレンドに乗るのではなく、人類の進歩に貢献する新たな産業を創出していく気合で頑張ります!

■量子科学技術
量子コンピュータは今後ハードウェアのみならずソフトウェアへの投資も活発化すると予想されます。また、日本では人材育成も必要なので何かしらの施策を打ちたいです。
量子コンピュータ以外にも量子暗号・通信分野含めて量子科学技術を幅広く検討しており、2018年に最低10社は投資したいですね。また、政府や大企業も巻き込んで日本から量子科学産業を立ち上げる必要があると感じており、年明けにでも都内でカンファレンスを開催予定ですのでご関心ある方はご連絡ください!

■オルガノイド
iPS細胞から、人間の臓器を製造するオルガノイドに注目が集まってます(Harvard大発のEmulate等)。最近、a16zのプレゼンでも取り上げられてましたが、これまでの動物実験より優れた新たな創薬スクリーニングとして使用されるだけではなく他の応用も期待されています。

■核融合炉、超臨界地熱発電
エネルギー問題を解決すべく、核融合炉や超臨界地熱発電のベンチャーを日本から作りたいですね。特にアカデミアの方からのご連絡お待ちしております!海外の核融合炉ベンチャーとして既に約100億円調達したGeneral Fusion社(Bezos Expedition等から調達)等をベンチマークしています。

個人投資家

「投資家 佐藤 裕介」の画像検索結果佐藤 裕介

2017年の振り返り:
仮想通貨、動画、アルゴリズミックフィード、音声認識、画像認識(AR含む)、対価支払より先に便益を得るサービス(ツケ払い、CASH)、手元現金の相対的価値増大を活かしたサービス(メルカリの現金販売)

2018年のトレンド:
「売り手」がさらに拡大する
ソーシャルネットワークインフラの完全整備(集客)+個人が使えるエンタープライズSaaS(オペレーション)によって生まれる個人発の商売(Stores.jp、Liveshop)が、手数料の高いプラットフォームの外へ。

– 個人向け少額短期融資
個人の短期資金需要を満たすサービス。カードローンやクレカの複利的な手数料から分かりやすい手数料に。メルカリやCASHの流れから。

– 仮想通貨関連
クラウドマイニングなど。

– オーディオ
音声合成周辺で CGM 系、アングラ系のプラットフォームが出てきて、徐々にマチュアになっていく拡大イメージを予想。またamebloの音声版みたいなブログのノリからくるパターンもあり。EchoやHomeは順当に成長。

D4V

「投資家 伊藤健吾」の画像検索結果COO 伊藤健吾

2017年の振り返り:
僕自身もまだまだ勉強中ですが一番盛り上がったのは何と言ってもICO、トークンセールスじゃないでしょうか?

2018年のトレンド:
トークンセールスについてはまだまだこれから本格化するのではないかと思います。インターネットは元々P2Pとか分散に向いているのに大手のFacebook、Amazon、Google、Apple、Tecncent、Alibabaにデータを牛耳られて中央集権化しつつあったのが、分散化、非中央集権ということで新しい価値が生まれてくるのだと思います。スマートコントラクトで世界中の工場が自律的に連携し、これまでのサプライチェーンが破壊的に効率化されるといったことも実現されそうです。

KLab Venture Partners

「長野泰和」の画像検索結果代表取締役社長/パートナー 長野泰和

2017年の振り返り:
D2C、ConTech、LogiTechの3つです。
D2Cは数も多く且つKPI好調なところが多かったのが印象的。ConTechは過去になく有望スタートアップが立ち上がっています。そしてLogiTechについては今年は動きが激しく、有望LogiTech各社も成長ステージに突入!という年でした。

2018年のトレンド:
VCとICOは競合するのか共存するのか?というのが2018年の大テーマ。それぞれのメリット・デメリットが整理され、どう使い分けていくかのユースケースが2018年中に確立されるくらいのスピード感だと思っています。
投資分野としては引き続き既存産業をDisruptするスタートアップに投資していきたいです。LogiTech各社の2017年の成長は目覚ましいものがありました。KVP投資先ではCBcloudが物流版Uberプラットフォームとして飛躍してくれました。2018年に同じような展開がConTech、B2B商取引、HR、Legal、Agriなどなどいくつかの注目分野で期待できます。「既存産業が大きい」「ペインが存在する」「規制緩和」がスタートアップ参入の3大要素なのでこれを満たす分野でのスタートアップに引き続き注目していきたいです。

Plug and Play Japan

関連画像COO 矢澤麻里子

2017年の振り返り:2017年は、Fintech分野に盛り上がりを感じました。CASHやVALUのようなサービスの登場やビットコイン・ICO系プレイヤーも増え、ブロックチェーンなどの技術革新によって価値交換の方法が多様化し、より一層キャッシュレスな世界に近づいたように思います。

2018年のトレンド:2018年も引き続き、フィンテック分野は盛り上がりを見せると思います。仮想通貨やICOのみならず、ソーシャルレンディングや決済・PFM・資金調達や資産運用系など幅広く、様々なスタートアップが乱立すると思います。一方で、新しい技術を活用したサービスが増えれば増えるほど、規制やセキュリティ、AMLなどRegTech領域も見逃せません。

セールスフォース・ベンチャーズ

「浅田慎二」の画像検索結果Japan Head 浅田慎二

2017年の振り返り:
全体的に2017年は、B2Bスタートアップの資金調達件数と金額がメインストリーム化した印象。その中でも、古い産業をDisruptするB2B SaaS(貿易、物流等)の資金調達が活発な年だった気がする。

2018年のトレンド:
AIへのハイプ(過熱感)がようやく収束し、2018年は実用的なAI/ML/DLをベースとした問題解決型SaaSが生まれてくる事を期待したい。そして、AIのSI案件が実は、良質データが無いと運用フェーズに移行できないという問題が多数発生している事から、米国の弊社投資先Crowd Flower社のような、「データクレンジング as a Service」が日本でも急速に立ち上がってくると予想。

他には、Product AnalyticsのSaaS (製品のUIUXに対するユーザ満足度可視化SaaS。USのAmplitude社)や、ID管理SaaSのOkta(見事2017年にIPO)のように、IT部門が統合管理する形態のセキュリティSaaSとして、CASB(Cloud Access Security Broker。USのNetskope社やSkyhigh Networks社)のスタートアップが、日本からも出てくるのではないかと注目している。そして引き続き、生産性向上系の代表格セールス&マーケ系SaaSや人事法務労務系SaaSも新たに多少増えつつも、顕在プレーヤーの優勝劣敗が進む年となるだろう。

グロービス・キャピタル・パートナーズ

「高宮慎一」の画像検索結果パートナー/Chief Strategy Officer 高宮慎一

2017年の振り返り:
2017年はブロックチェーン、AIなどの新技術のテクノロジービジョン=テクノロジーが機能的に何が実現できるか見えてきた年だった。象徴的なのはバズワード化したICOで、ブロックチェーンという技術を応用した仮想通貨は、貨幣の機能的側面が純度高く実現でき、ICOにおいてはコミュニティ作りや資金の担保ができると提示された。

2018年のトレンド:
2018年は、新技術に市場課題が結びつき、応用先とビジネス化が見えてくる、テクノロジービジョンがビジネスビジョンに昇華される年になる。新技術の中でも、特にAI、ブロックチェーンのビジネス化は進むと予想する。

AIは、完全に自律的に課題解決するまでには至っておらず、法制度と人の心の受け入れ態勢も整っていない。よって過渡期的ではあるが“半人力AI”=人をAIが補完する形でビジネスモデルに内包されていくだろう。そして、市場観点では、 既存のやり方の負が大きいが故に半人力AIでも十分に価値が出せる領域からビジネス化が進む。具体的には、『最適化』:コールセンター・CS業務、稼働率ビジネスのダイナミックプライシング、SCM、『マッチング』:人材採用、婚活・出会い、『関係性抽出』:コンテンツのパーソナライズ、コマースのレコメンド、ヘルスケア業界の診断などだ。

ブロックチェーンは、ICO乱発の中から、真にブロックチェーンの必然性がある課題の最適な解決策となっている領域が見えてくるだろう。一方で、投機的過熱感の中で、社会問題化する懸念もある。業界自ら襟を正し、当局と連携しつつ自主規制や法制度の整備が急務だ。

インターネットは、引き続き動画がファンビジネスと結びつき“コミュニティ型メディア”としてメディアビジネスに大きな変化をもたらす。また、ネットによる古い産業の変革も着実に進展する。特に、ヘルスケアは市場規模も大きく、変曲点にある。

Draper Nexus Ventures

「倉林陽」の画像検索結果Managing Director 倉林陽

2017年の振り返り:
Big Data Analytics & AI分野。価値あるInsightの提供を実現して事業拡大をする企業が出てきており、弊社投資先のCylance(Cyber Security)やNauto(自動運転)等でも業績の急拡大や大規模調達が続いた。

2018年のトレンド:
過去7年ほど一貫してCloud/SaaS推しだが、日本においてもSansanやマネーフォワードといった成功事例によって認知が広がり、近年はSaaSスタートアップの質も数も右肩上がりの印象である。

その中でも、昨年に引き続き特にIndustrial Cloudに注目している。伝統的商習慣の残る業界に対して、SaaSやMobile、Big Data Analyticsといったテクノロジーで変革を起こすスタートアップに可能性を感じる。

日本においてもカケハシ(ヘルスケア)、オクト(建設業)、サークルイン(国際物流)、atama+(教育)等、業界の課題について深い知見を持った経営陣が、UI/UXに優れたアプリケーションを提供し差別化を実現している。今後も様々な業界でこうした事例が出てくることを期待したい。

アイ・マーキュリーキャピタル

「新和博」の画像検索結果代表取締役社長 新和博

2017年の振り返り:
「動画」。LIVE配信、動画メディア等、 スマホで利用する動画サービスの大型調達が相次いだ。また、ある種の社会現象となったAbemaTV、LINEによるFIVEの買収に代表されるように、VCの投資テーマだけではなく大手企業が本腰を入れて取り組むテーマになってきた。

2018年のトレンド:
2018年に短期間で盛り上がるトレンドとして予想するのは、以下の通り。
1.「ライブ配信サービス」の乱立。プレイヤー間でのプロモーションや配信者獲得の競争が激しくなり、既婚の視聴者は配信者に対する精神的浮気がバレて家庭不和になる。
2.「スマートスピーカー」の一般家庭への普及。当面のキラーアプリは音楽と天気で各社とも大差ないと思われるが、日本語認識精度と通話機能が勝負の分け目になると予想。(2017/12/8発売のClova FriendsはLINE通話機能を搭載)
3.メルカリの”プラットフォーム化”による「シェアリング・エコノミー型サービス」の勃興。ニッチな市場でもメルカリからの集客と資金の支援を得ることで手堅く立ち上げることが可能になる。
4.東京五輪をターゲットにした「訪日客向けサービスEC」、特に飲食店や交通手段は需要が大きい。弊社投資先が運営する厳選飲食店の予約・決済サービス「Pocket Concierge」はインバウンド向けビジネスが平均年率3倍以上の成長を遂げている。
5.「ブロックチェーン」技術を活用したビジネスのキラーコンテンツが見つかるまで、数多くのブロックチェーン・スタートアップが登場する。

iSGSインベストメントワークス

「五嶋一人」の画像検索結果代表取締役 代表パートナー 五嶋一人

2017年の振り返り:
2017年もバズワードが幅を利かせた年でした(なんちゃって◯◯)。
Fintech、Helthtech、仮想通貨、オープンイノベーションetc.・・・。ベンチャーキャピタルの立場からは、注視するべきポイントは多かったものの、特定の新しいトレンドは案外なかった気もします。

2018年のトレンド:
引き続き「インターネット+デバイス」「インターネット+リアルのサービス・ヒト・モノ・場所」といった「インターネット+α」領域が、より活発になると予想します。2018年はその中でも農業や製造業に関連する領域が、より活性化すると考えます。この文脈で地方スタートアップの台頭も期待します。
事業分野としては、日本は世界最先端の超高齢化市場であることから、へルスケア分野で日本発世界で活躍する企業が現れることを期待しています。

また、政府の「日本再興戦略 2016」で重点領域とされているスポーツ分野は、ヘルスケア分野とのクロスオーバーがある「Doスポーツ」を中心に成長が予想されます。
ライブエンターテイメント分野は、インターネット上のサービスやコミュニティ、さらに新しいテクノロジーとの連携を深化させ成長を続けると考えます。
事業分野やプロダクトではないですが、「サービスのサブスクリプション(月額課金)」に加えて、ファイナンスリースやオペレーティングリーズといった金融を活用した「モノのサブスクリプション」の成長が始まると考えます。
ほとんどの企業にとって、人工知能や動画、暗号通貨などは「ツール」であって、事業そのものではありません。これらのツールを活用してどのような価値を創造するのか、どのようなユーザー体験を提供するのか、という事業としての「本質」が、より強く求められるようになるのでは。

グロービス・キャピタル・パートナーズ

「今野穣」の画像検索結果ジェネラルパートナー COO 今野穣

2017年の振り返り:
基本的に昨年挙げたトレンドどおりだったかと思いますが、特に印象的だったのは、各産業向け・企業向けクラウドサービスです。弊社の投資先で言えば、Yappli社は目覚ましく成長しましたし、HR Tech関連は劇的に増加しました。ビジネスモデルやKPIが標準化されつつあるのも要因として大きいかと思います。

2018年のトレンド:
2018年は、「なめらかな社会」に向けた技術とサービスの融合、言いかえれば骨太で必然性のあるユースケースの確立に期待をしています。技術的側面で言えば、「AI」「IoT」「VR/AR」「ブロックチェーン」などの技術がここ数年のトレンドかと思いますが、2018年はプラットフォーマーからの開放などにより、技術そのものがコモディティ化する年になるかもしれません。 その上で個人的に注目しているのは、(1)IoT/AI技術を活用したDMPの構築 (2)ブロックチェーン技術を活用した還元型社会の構築 と言った切り口です。

前者はビックデータ・ソフトウェア/クラウドサービス・オープンイノベーションなどの文脈に乗るでしょうし、後者はシェアリングエコノミー・トークンエコノミー・マイクロペイメント・クラウドファンディングなどの文脈に通じるかと思います。 また非中央集権的性質を持つブロックチェーン技術に対して、どのような統制・管理を自律的に機能させるか、その場合従来のマッチングサービスなどはどのように変容していくのかという点も興味を持って観察しています。 さらに、年々中国をベンチマークするサービスが増加しているのも特徴だと思います。その意味では、個人的には仮想通貨よりもWechat Pay上のデジタル通貨の世界観は待望していますし、中国で既に賑わいを見せるeスポーツは、日本での立ち上がりも時間の問題ではないかと思っています。

プライマルキャピタル

関連画像代表パートナー 佐々木浩史
2017年の振り返り:
上半期:スマートスピーカー、音声UI、機械学習/AI、無人コンビニ、動画
下半期:ブロックチェーン、暗号通貨、ICO、シェアサイクル、iPhone X、CASH

2018年のトレンド:
1. IoT(屋内外問わず)
・ハードウェアはもちろんですが、センサー・データ解析・音声UI等を活用したサービスレイヤーは多分に事業機会があると思います。
・ハードの普及に伴って、セキュリティーや電力といった領域で様々課題が表面化してくると思います。

2.バーティカル×データ×機械学習/AI
データ取得や整理と機械学習/AIの活用によって効率化される産業はまだまだ多いと思います。

3.Deep-Tech、R&D領域
非ネット領域で、最先端テクノロジーを活用したイノベーションを起こすスタートアップへの投資が加速すると思います。
※暗号通貨やICOは他の寄稿者の皆様にお任せします(笑)

Supership

「Supership 古川健介」の画像検索結果取締役 古川健介

2017年の振り返り:
みんな暗号通貨の話をすると思うので言いません笑。
スマホの動画まわりはやはり熱かったなと思いました。クラシルなどの特化型サイトや、Abemaのようなサービス、One Mediaのようなスマホらしい動画テンプレートの発明など、真のスマホ動画元年だったと思います。

2018年のトレンド:
リアルとバーチャルの融合が盛り上がると思っています。今、バーチャルYouTuberが立ち上がりつつありますが、これらのアイドルを集めたUUUMのような企業や、カバー社のhololiveみたいな仕組みが人気になる気がしています。それに加えてARを使ったコミュニケーションなども活発化してくるのではないかと思っています。

このクソみたいな現実を、本質的でない解決法で解決するのが非常に日本ぽいと思うので期待しています。

あと個人的には、Mesh Networkを使った何かはおもしろいのではないかと思っていますが、たぶん来ません。
(編集注:掲載漏れのため12月28日23時18分に追加)

サイバーエージェント・ベンチャーズ

「近藤裕文」の画像検索結果取締役 日本代表 近藤裕文

2017年の振り返り:
圧倒的に仮想通貨とICOが盛り上がった一年でした。

2018年のトレンド:
2018年ですが、引き続きFintechに注目しており、仮想通貨とICO領域は更に盛り上がるため、サービスレイヤーなど周辺の事業に投資したいと考えています。

また、ToCではお金を増やす、お金を送る、お金を換金するなどオンデマンドで提供するところは既存サービスにはない、新たなサービスの登場にまだまだチャンスがあると思っています。

ToBではDLTなどBlockchainの基盤技術周辺のエンタープライズ分野がPOCを終えて、ユースケースを伴って来年以降立ち上がるので注目しています。CAVはシードステージにフォーカスした投資をしていますが、上記領域はシードに拘らず投資検討したいと考えています。

エウレカ創業者、個人投資家

「エウレカ 赤坂優」の画像検索結果赤坂優

2017年の振り返り:
Bitflyer、Coincheck、CASH

2018年のトレンド:
・引き続き仮想通貨周辺事業(取引所、ウォレット)
・検索させないサービス(タベリー)
・オンライン店舗とリアル店舗のボーダレス化、D2C
・チャットコンシェルジュ
・民泊予約アグリゲーター

まとめ

ベンチャーキャピタリストやエンジェル投資家による2018年の業界予想、いかがでしたでしょうか。
ここで投資家が注目するワードを取り上げられた数をランキングで見てみたい。

1位:仮想通貨・暗号通貨関連事業 10人
2位:AI活用サービス(AIスピーカー) 8人
3位:ICO関連 6人
4位:ブロックチェーン活用 5人
4位:SaaS(オペレーション) 5人
6位:IoT関連 4人
7位:インバウンド・訪日客向けサービス 3人
7位:トークンエコノミー 3人
7位:VR関連・VRデバイス 3人
7位:シェアリングエコノミー(サブスクリプション) 3人

仮想通貨やAI関連は、昨年に続き盛り上がる予想を立てている投資家は多い。KLab Venture Partnersの長野氏が「VCとICOは競合するのか共存するのか?」といったテーマを掲げるようにICOとその周辺領域にも2018年は目が離せない。
また仮想通貨やICOの盛り上がりに関連して、やはりブロックチェーンを活用したサービスに関しても、多くの投資家が注目している。

ここで私が注目したいのは、4位に挙げられた「SaaS」というワードだ。
SaaS」(Software as a Service:「サース」あるいは「サーズ」と発音されます)とは、ソフトウェアをユーザー側に導入するのではなく、ベンダ(プロバイダ)側で稼働し、ソフトウェアの機能をユーザーがネットワーク経由で活用する形態を指します。簡単にいってしまえば「ソフトウェアの機能をネットワーク経由で利用する」という形態です。米セールスフォース・ドットコムなどのSaaS専業ベンダが急成長しており、さらに、SAPやオラクルなどの従来型のソフトウェア・ベンダもSaaS型のビジネスに乗り出しています。ほとんどの企業にとってSaaSは無視できない動向といえるでしょう。
この「SaaS」に関しては、また特集を組みたいと思う。

そして、訪日外国人の増加や2020年のオリンピックに向けたインバウンド事業、労働人口減少による人手不足解消のため、業務オペレーション効率化や人のシェアリングエコノミー、仮想通貨に関連したトークンエコノミー、昨年から引き続きVRデバイス・VR関連事業にも注目している投資家は多い。さらに負が大きいレガシーな産業のビジネス構造を大きく変えようとするサービスなどもさらに増えると思われます。

「ビットコイン」を中心とした仮想通貨・暗号通貨の異常な盛り上がりは、どの投資かも予測が足りなかったと言うように1年でトレンドは急激に変化する。2018年も1年の間で大きな変化やトレンドが生まれることが容易に想像できる。
今後も、時代の変化のスピードに遅れを取らないよう、新たなビジネスチャンスを瞬時にキャッチできるよう常にアンテナを張り巡らしておくことが我々には必要であり、この2018年、当サイトでも有益な情報を随時皆様に発信していきたいと思う。

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