朝倉祐介×前田裕二×落合陽一|人生100年時代の次世代リーダーとは

人生100年時代の次世代リーダー

「人生100年時代の次世代リーダー」をテーマに行われたSENSORSサロン。ミクシィの業績をV字回復させた立役者でもありシニフィアン共同代表の朝倉祐介氏と動画配信プラットフォーム「SHOWROOM」を立ち上げた前田裕二氏をゲストに迎え、クリエイティブディレクター齋藤精一とメディアアーティスト落合陽一が「リーダー論」について討論が行われた。次世代リーダーたちの経験、思考、習慣、多くの学びを得ることができる講義は必見だ。

番組名:SENSORS
放送日時:12月24日(日)[土曜深夜]3:30~4:30
放送:日テレ

<出演者>
【MC】
齋藤 精一(ライゾマティクス代表取締役社長/クリエイティブディレクター)
落合 陽一(筑波大学准教授・学長補佐/メディアアーティスト)

【ゲスト】
朝倉 祐介(シニフィアン共同代表)
前田 裕二(SHOWROOM代表取締役社長)

【ナビゲーター】
滝 菜月(日本テレビアナウンサー)
佐藤 真知子(日本テレビアナウンサー)

朝倉祐介氏(シニフィアン共同代表)

sensors salon100_2.jpg

中学校卒業まで兵庫県で育ち、卒業したタイミングで競馬の騎手を目指し単身でオーストラリアへ留学しました。
もともと実家から阪神競馬場が近く、競馬になじみ深い環境にいたことも一つの理由ですが、何より先々の将来に希望を見出せなかったことが最大の決断理由です。 
高校受験に向けて勉強をしている際に「なぜこんなにも一生懸命勉強しなければいけないのか?」と考えました。偏差値の高い大学に入学し、優良企業に勤め、社会的ステータスと高いお給料をもらうことに意義を見出せなかったんです。
それなら、自分が好きなことをやった方がいいだろうと。 
結局騎手になる夢は叶いませんでしたが、帰国後に大学受験資格を取得できる専門学校に通い、20歳で東京大学に入学しました。
在学中にネイキッドテクノロジーを共同創業し、大学卒業後に外資系経営コンサルティング会社で3年ほど勤務した後、ネイキッドテクノロジーに復帰しています。
同社で代表を務めていた頃にミクシィから買収のオファーをいただき、そのままミクシィにジョインしました。
入社時は平社員でしたが、業績不振を立て直すために代表に就任しました。

–創業したネイキッドテクノロジーでも、買収先のミクシィでもリーダーを任されたのはなぜですか?

ミクシィに入って数か月のころから、会社の業績が厳しい中、こういう風に会社を変えていくべきではないかという提案書をまとめて、声の大きそうな社員に「お茶行こう」、「ランチ行こう」と片っ端から声をかけていったんです。
リーダーになることを目指していたわけではありませんが、目の前にある課題を一つ一つ解決していったところ「朝倉に任せる」と言われるようになったんだと思います。
私自身、過去に夢を諦めた経験があるので、そもそも変わることを恐れていません。買収されて入社した経緯から、組織にしがみついていたいとも思っていなかったので、大胆な判断ができていたのではないでしょうか。
また、騎手を目指していた経験は少なからず影響しているかもしれません。
調教師の先生から「騎手がリーダーシップを発揮しなければ馬は言うこと聞かないから、自分が指導する立場にあるんだという心持ちを持て」と常々言われていました。

–15歳で騎手を目指し、単身オーストラリアに行くという意思決定ができる人なんて滅多にいないと思うが?

その瞬間にやりたいことをやらなければ、悔いを残す人生になると思ったんです。
仮に失敗しても、挑戦したのであれば諦めがつきます。ただ、やらない後悔は一生残る。10年後、20年後に振り返り「本当は騎手になりたかった」と悔いを残すのが嫌だったので、猛反対する親を説得しました。


前田 裕二(SHOWROOM代表取締役社長)

sensors salon100_3.jpg

過去の話をすると、8歳のときに両親を失い、1年弱住むところもなく放浪していたことがあります。その後親戚に引き取られたのですが、馴染むことができずにグレてしまい、ヒネくれた幼少期を過ごしていました。 
誰に頼ることもなく自分の力で生きていきたいと考えるようになり、10歳で近所の駄菓子屋でアルバイトをさせてくれないかとお願いしにいきました。僕の人生で初めてビジネスと接点を持った出来事です。 
アルバイトの時給の相場が800円だと認識していたので、成人の半分、10歳の自分を相場の半額の時給400円で雇ってもらえないかと話をすると、「見ての通りうちの駄菓子屋は、1時間あたり400円の売り上げもない。うまい棒を1時間に40本以上売らないと君のことは雇えない」と断られてしまいました。
そこからお金を稼ぐ手段を色々と試してみた後、11歳で路上に出てギターの弾き語りを始めたんです。最初は誰も立ち止まってくれませんでしたが、徐々にコツをつかんだ結果、一万円札を置いていってくれる方にも出会いました。
これが僕の立ち上げたサービス「SHOWROOM」の原点です。

ーー「SHOWROOM」創業までの背景とは?

そもそも進学するつもりはなかったのですが、親戚のお兄さんのすすめで高校に進学しました。
信用していた人の言葉だったので。そして高校生のころから、不遇であったことの反骨心から、たとえば英語を勉強してディベートの大会に出て帰国子女に勝つみたいなことをやってました。そして大学卒業後、投資銀行に就職しました。 
投資銀行時代は2年目で海外赴任するなど、順調なキャリアを歩んでいたと思います。しかしそんな中、大学時代のバンドメンバーが亡くなってしまったんです。そこで強く死生観を持ちました。
自分のキャリアについて考えた結果、代替不可能な価値を世の中に生み出すべきだと考えたんです。 
そこで会社を退職し、SHOWROOMを立ち上げました。ビジネスモデルのルーツは路上ライブの経験であり、路上ライブをインターネット上の仮想空間で再現しているんです。
自分の経験に紐づく事業を手がけることは、代替不可能性があると思っています。

リーダーの資質とは。ジェネラリスト?スペシャリスト?

(前田裕二氏)

僕は、リーダーはジェネラリストじゃないほうがいいと考えています。リーダーには「大義」を持っていることが求められる。「なぜやるのか(Why?)」が伝わることで、メンバーを強く惹きつけられるからです。
専門性は「偏愛」という言葉に置き換えられます。好きだから研究し、没頭して、その結果専門性が身につくんです。好きだから追い求めるという姿勢も「大義」だと思うんですよね。

投資銀行時代は非常に多くのビジネスモデルをみてきたので、そのビジネスが成長するかどうかをかなりの確度で予測できます。たしかに僕の経験上、固有の領域を偏愛しているスペシャリストは投資的な視点が欠けていて、ビジネスがうまくいかないケースも少なくありません。
何かに対して偏愛と専門性のある人材と、経営的、投資的な専門性のある人がマッチングしていく必要があると思います。

(朝倉祐介氏)

ジェネラリストとスペシャリストに分ける考え方もありますが、ジェネラリストはスペシャリストを束ねるスペシャリストであるとも考えられます。

スペシャリストにしてもジェネラリストにしても、1人で何かをなし遂げることは不可能です。人はそれぞれ得意な分野と苦手な部分があり、だからこそチームがある。そのチームを誰が引っ張るのかといえば、先ほど前田さんは「大義」とおっしゃいましたが、最終的には想いが一番強い人なんだと思います。

sensors salon1002_2.jpg

前田氏が語る、日常を抽象化して捉える「我見、離見、離見の見」とは

(前田裕二氏)

僕は学生時代から「抽象化ゲーム」をしていました。目に見えている事象の中で自分の琴線に触れるもの、あるいは社会が認めているものをピックアップし、なぜそう感じるのか、認められているのかを考えるんです。
人を説得する作業は、抽象的な命題を置いて、それに紐づく具体例を挙げることだと思うのですが、この具体例の引き出しの多さは、逆に具体例から抽象化した回数の多さで決まります。

たとえばイチローさんは一流の選手ですが、「すごいから」では抽象化できていません。「何がどのようにすごいのか」をまず具体的に言語化することが抽象化に結びつきます。こうした訓練を繰り返すことが自分の頭で考えるということだと思います。

一流の人ほど、「一流って何ですか?」って聞かれるアウトプットの機会が多いんですよね。「抽象的には一流とはこういうことです。具体的にはこういうことだと思います」と答える機会を意図的に増やすと、一流に近づけるんじゃないかと思っています。
具体的な事象を抽象化して、命題を解く機会が何度も求められるので。食事の感想が単調なのが分かりやすい例で、日本人はアウトプットする機会が少なすぎるので、インプットの質が上がらない。

(MC 斎藤氏)

僕は抽象と具体を行き来する…つまりミクロとマクロの行き来の速い人を尊敬しています。
学生によく言うのは「万里の長城のレンガを組んでいながら、何のためにレンガを組んでいるのかが理解できる人になれ」。小さな作業を積み重ねながら、それが大きな意味をなすことまで考えられると、世の中の見え方が変わってきます。

(前田裕二氏)

能には3つの眼、視点があるといわれていますよね。一つは自分視点の「我見」。二つ目がお客さん視点の「離見」。そして最も重要なのが「我見」と「離見」を俯瞰する「離見の見」。
何かを売るときも同じで、「我見」だけではいけない。お客さん視点の「離見」、自分の振る舞いがお客さんにどう映るかを見る「離見の見」が求められます。

(MC 落合氏)

以前ピアニストの方と対談をした際に、「ピアノは一人称の楽器になりやすい」とおっしゃっていました。指揮者とお客さんを意識しても、演奏中はどうしてもピアノから離れられないのだそうです。
今お話を聞いていて、「我見」と「離見」、「離見の見」に共通すると感じました。世阿弥からもグランドピアノからも同じ事例が出てくるということは、一流の人材は「3つの眼がある」のではないでしょうか。

sensors salon100.jpg

まとめ

これら対談をかいつまんで紹介したが、詳しくは冒頭の動画をみていただきたい。本当に学びのある対談だった。今回、私が最も印象的だったのが、ゲストのお二方やMCの斎藤氏、落合氏が口を揃えて言われていた「アウトプットする習慣を身に付ける」ってことだ。これは意外と盲点で、アウトプットとは、どうしても相手ありきで考えてしまっていた。しかし、一人で多くのものを見たり聞いたり触れたりする中で、何故そう感じるかを追求し、自分なりに落とし込んでみること。離見、離見の見を意識して俯瞰して物事をとらえ直してみることの重要性を知ることができた。
昨今のインターネットが普及したIT社会の中で、インプットは誰もが容易くできる時代となった。しかし、これから必要とされる人材とは、その得た多くの情報をいかに上手くアウトプットし、活用できるかが重要であると考えられる。多くの情報に触れることによって、基本的なリテラシーを高めアウトプットする。普段からアウトプットする習慣があるからからこそ、インプットの質は上がる。
さあ、今日から早速実践だ。

「センサーズ」の画像検索結果

引用:SENSORS
http://www.sensors.jp/

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク